私は塾講師をやっていた大学生のアルバイト時代、中学生が「わかった!」と嬉しそうに納得するのは数学だなと痛感しました。自分自身の経験からわかってはいたことですが、如実にそういう反応をされると本当にはっきりします。
理数系は解き方が決まっているので、それを示せば理解をしてくれます。しかし、文系は教え甲斐がないというか、教えようもない時があります。英語は、一見文法があって公式があるように思えます。しかし、高校にもなってくるとそれが崩れ始めます。公式があっても例外が多くなってきて、そもそも語源が違う英語を日本語のルールに当てはめるのには無理があることや、公式以外でどう理解するかというニュアンス問題も増えてきます。
だから、あまりわかったというセリフが聞こえなくなり、解説してもしっくりこないようでした。そもそも、ニュアンスなんて伝えようがないですから、慣れて慣れて、こういうもんなんだと割り切ってもらうしかありません。英語で一番その「わかった!」という感覚が多いのは、実は相手の言っていることがわかった瞬間だと思います。
人はコミュニケーションをして生きていく生き物ですから、相手と意思疎通ができないのはいかなりの苦痛です。それがわかった瞬間はかなりすっきりするものではないでしょうか。しかし、学生ではこの機会がなかなかできず、納得できる機会が与えられないのが残念です。あの感覚があれば、もっと英語は楽しいものだと思えるのではないでしょうか。